I-DLE（旧(G)I-DLE）のリーダー、ソヨンは「曲を作る頭脳」であり「舞台を支配する身体」を併せ持つ稀有なアーティストです。幾度もの落選や批判を越えて、自作曲でグループを頂点へ導いてきました。本記事では、デビューまでの物語、最も売れた代表曲5選、伝説の「LION」ソロ、メンバーの弱点を強みに変えるリーダーシップ、そして容姿にまつわる評価と芯の強さまで、公式動画を交えて深掘りします。
※グループ名は2025年5月1日より (G)I-DLE → I-DLE に改名されています。本記事では検索性を考慮し両表記を併用しています。
1. ソヨンのプロフィールとデビューまでの物語
本名：チョン・ソヨン（1998年8月26日生）。幼少期はバレエで舞台経験を重ね、表現の基礎を体に刻みました。中学〜高校期にかけては、音楽の道を志して多数のオーディションに挑戦。結果は不合格続きでも自分の声・書く言葉・ラップの間合いを磨き続け、「自分に何が足りないか」をメモし、次の挑戦までに必ず修正する習慣を持ちました。
転機はサバイバル番組への挑戦。視線が集まる場で臆せず自己表現を貫いた経験は、その後のセルフプロデュース力の核に。練習生時代から既に“完成品”を持ってスタジオに入るスタイルで、デモ制作→歌詞骨子→パート割→ラップライン補強→ディレクションまで、一貫して自分の言葉で組み立てる方法論を確立していきました。
2018年、(G)I-DLEとしてデビュー。以降、楽曲・MV・パフォーマンスの三位一体で「(G)I-DLEらしさ（現在、I-DLE）」を更新し続けています。
2. 最も売れた代表曲ベスト5（I-DLE）
配信・動画再生・話題性など総合的な影響度を踏まえて、ソヨンが手がけた代表ヒット5曲をピックアップ（順序は商業的インパクトの大きさを総合判断）。どの曲も「強いメッセージ×わかりやすいフック×映像との一体感」が鍵です。
| 順位 | 曲名 | リリース | ポイント（ざっくり実績・楽曲性） |
|---|---|---|---|
| 1 | Queencard | 2023 | 自己肯定のアンセム。軽やかなY2K感＋キャッチーなフックで国際的ヒット。MVの物語性が拡散力を後押し。 |
| 2 | Nxde | 2022 | 「本当の自分を見て」という挑発的メッセージ。芸術性の高いMVと社会的テーマで幅広く議論喚起。 |
| 3 | TOMBOY | 2022 | ロックテイストの反骨ソング。「I’m not a doll」の直球フレーズでバイラル化。グループの転機に。 |
| 4 | HANN (Alone) | 2018 | ミニマルで冷たい余白が魅力の失恋曲。歌詞の繊細な反復と余韻でファンダム拡大に貢献。 |
| 5 | LATATA | 2018 | デビュー曲にして自作。リズムの推進力と映像美で“セルフプロデュースの代名詞”を確立。 |
※順位は複数の指標（配信・動画視聴・話題性等）を踏まえた総合評価。いずれもソヨンが作詞作曲・プロデュースの中核を担っています。
3. 「LION」を一人で歌い上げた伝説のステージ
2019年に披露された「LION」のソロ・ステージは、ソヨンを象徴する名演のひとつ。王の“威厳”を体現する目線、呼吸、間（ま）。絞り込まれた動きと力強い発声で、歌詞が身体を通して観客へ“直接”届きます。グループの要としての存在感と、個人アーティストとしての完成度を同時に示した瞬間でした。
鑑賞ポイント：
・曲頭の“静”とサビの“動”のコントラスト／
・顔をほとんど崩さない演技設計（威厳の持続）／
・音の隙間を支配する「間」の取り方
4. メンバーの弱点を強みに変えるリーダーシップ
ソヨンのリーダーシップは「完璧に整える」のではなく、個性の凸凹を編み合わせること。声質・発音・表情の傾向・得意なグルーヴ…細かい“らしさ”を把握し、その人にしか出ない味が最大化するようパートを配します。弱点は消すのではなく、曲の文脈の中で役割に変えるのが彼女のやり方です。
例えばボーカルの癖が強いメンバーには“導入の一言”を任せ、耳を惹きつけるフックに変換。発音が硬いメンバーには、リズムで切るラップのブリッジやコーラスを割り当てて、音のテクスチャとして活かす——。こうした編曲的な視点は、コンポーザーでありディレクターでもあるソヨンならではの強みです。
5. 容姿をめぐる評価と、芯の強さ
デビュー前後、ソヨンは容姿に関して心ない言葉を投げかけられることもありました。それでも彼女が折れなかったのは、「外見ではなく作品で語る」という信念を持ち続けたから。曲・歌詞・演出・振付ディレクションを通して自分の美学を提示し、結果として“ソヨンらしさ”が最も美しいという空気を作っていきました。
メイクや衣装が映像コンセプトと必ず結びついているのも特徴。外側を飾るためではなく、内面の物語を見せるための装置として機能させることで、「容姿」の議論そのものを作品の中に回収してしまいます。
まとめ
ソヨンの歩みは、挫折と挑戦の連続から生まれたセルフプロデュースの結晶です。最も売れた5曲に共通するのは、自分の言葉で書かれたメッセージと、映像・ダンスまでを含む一体設計。そして、仲間の“らしさ”を活かすリーダーシップ。曲単体で好きになった人も、ソヨンという人を知れば、I-DLEの音楽がもっと深く響くはずです。
0 件のコメント:
コメントを投稿